「本業を放り出して駆け付けたのに、こんな侮辱を受けるとは思わなかった」
「おい、この野郎、ここが誰でも来られるところだと思っているのか?」
22日午後、屏風島(全羅南道珍島郡)から北方3キロの事故現場。
旅客船「セウォル号」沈没事故で行方不明になっている乗客の捜索作業に加わった民間人ダイバーたちが
ゴムボートに乗って現場に到着すると、大型船に乗っていた海洋警察の口から暴言が浴びせられた。
現場にいた民間人ダイバーは「はしけ船に乗り移ろうとしたところ、突然責任者らしき海洋警察官が暴言を浴びせてきた。
本来の仕事を放り出して駆け付けたのに、事故現場でこんな侮辱を受けるとは思わなかった」と話す。
はしけ船の責任者だったこの海洋警察官はこの時点で民間人ダイバーの潜水を許可していなかったことが分かった。
このとき船にいた民間人ダイバーはほとんどが1万回以上のダイビング経験を持つベテランだった。
これについて、海洋警察庁関係者は
「その言葉は民間人ダイバーではなく、ゴムボートを操船していた海洋警察官に向かって言われたものだ」と説明した。
しかし、民間人ダイバーの代表格である特殊救助奉仕団のファン・デヨン会長(62)は
「『誰でも』は明らかにゴムボートに乗っていた民間人ダイバーを指している」と反論した。
セウォル号の救助活動は8日目を迎え、作業を指揮する海洋警察側とボランティアを志願した民間人ダイバーの間で確執が高まっている。
ファン会長によると、22日の一件が広まったことで、救助活動を申し出た民間人ダイバーのほとんどは引き上げたという。
救助活動を申し出た民間人ダイバーは合計512人。このうち同日まで現場に残っていた200人のうち残ったのは約30人で、
あとは全員帰宅したという。
23日午前に救助現場に向かった民間人ダイバーは11人だけだった。
民間人ダイバーたちは「潜水する前に謝罪してもらうべきではないのか」と抗議している。
民間人ダイバーのキム・ヨンギ韓国水中環境協会大田本部長は同日
「現場撤収に関して記者会見を開く」と発表していたが、取り消された。
ファン会長は「こうした確執は救助活動の初期からあった」と語った。
現場の指揮統制は海洋警察が執っているが、救助活動には韓国海軍も民間人ダイバーも参加しているため
双方を束ねる効率的な指揮体系がなく、混乱だけでなく確執も起こっているという。
ダイバー団体「ドルフィン水中」のキム・ジュンチョル代表(47)は
「私たちはよりすぐりのメンバーがそろっているが、民間人ダイバーの実力を信じられないようだ」と語った。
海洋警察庁関係者は「民間人ダイバーを救助活動から排除したわけではない。
韓国海軍海難救助隊(SSU)や特殊戦旅団(UDT/SEAL)をはじめ、ベテランの特殊隊員数百人が待機している状況だが、
民間人ダイバーも手続きや時間帯を考慮して投入する予定だ」と話した。
2014/04/24 10:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/24/2014042400780.html
【韓国旅客船沈没】指揮体系不在で海警と民間ダイバー間に確執 海洋警察が暴言、民間ダイバーらは撤収
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