1 名前:ロンメル銭湯兵 ★@\(^o^)/:2016/03/31(木) 21:27:42.93 ID:CAP_USER.net

 わたくし、TKO木本武宏が、複雑な現代の世の中について学ぶ対談です。東アジアについて学んでいる第3タームの2回目は、
お隣の国で近いけれども、なんだかしっくりいかないことも多い韓国についてです。今回も外交官出身の論客、美根慶樹さんに
お話をうかがいました。「従軍慰安婦」問題がなぜ急速に改善の方向に向かったかなど、知らない話がいっぱいありました。

  ■ 従軍慰安婦問題の合意はコペルニクス的転回

 美根:今、朴槿恵(パククネ)大統領は、北朝鮮との関係でとても怒っているようです。

 木本:それはなにに対してでしょうか。

 美根:北朝鮮の振る舞いです。彼女が政権についたのは2013年。最初のころはいろんなことを前向きに交渉する姿勢でしたが、
今回の核実験やミサイル発射をきっかけに怒っていて、非難する言葉も強くなりました。反比例とは言えないでしょうが、ほぼ同時に
日本との関係に協力的になりました。

 木本:いつからでしょうか。

 美根:11月の安倍首相との会談からです。年末に従軍慰安婦問題について日韓合意ができた。私も官僚時代に、慰安婦問題に
関わりましたが、よく韓国政府がここまで同意したと思います。

 木本:大きな譲歩だったということですか。

 美根:ものすごい譲歩です。それまでは日本政府を批判する立場で、大統領が口を開けば「歴史問題を直視せよ。日本の指導者は
逃げている」、「解決しないと日韓関係は発展しない」と言っていた。

 ですが、この合意の後は、日韓両政府が同じ方向を向いて、「両者が協力しながら慰安婦問題を解決しよう」、となった。それは
180度変わったと思います。私はコペルニクス的転回と思っているくらいです。

 木本:それほど大きな変化だったんですね。

 美根:はい。ただ問題はあって、高齢の元慰安婦が数十名残っていて、それを支援する人たちのパワーがすごい。日本人を含む支援者たちが
合意に反対しています。今、韓国政府はそういう人たちを自ら説得にかかっている。以前は日本政府に対して、支援者たちを説得しろと
主張していて、「やり方が悪い」と批判していまししたから。

 木本:ありえなかった大きな変化が起こっているんですね。

>>2以降に続く)

 (構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)

木本 武宏

Yahoo!ニュース 東洋経済オンライン 3月31日(木)10時0分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160331-00110926-toyo-bus_all&p=1

2 名前:ロンメル銭湯兵 ★@\(^o^)/:2016/03/31(木) 21:28:24.11 ID:CAP_USER.net

>>1の続き)

  ■ 日韓関係は東西問題でもある

 美根:ただ、前回お話しした北朝鮮とは別の意味で、韓国という国も「わかりにくい国」です。言語的にも、文化的にも近い部分はありますが、
日本に対する韓国の注目度と、韓国に対する日本の注目度に、かなりの温度差があります。私は兵庫県姫路市出身ですが、姫路の人間は
いつも東を向いています。だから西のことは知らない。西に行こうと思わないし、そもそも関心がない。 木本:たしかに僕も大阪ですから、一緒ですね。

 美根:大阪の場合は東京へのライバル意識もあるでしょうが、姫路の僕にはどちらも東です。同じような図式が日本と韓国にあると思います。
韓国は日本にとって「西」。日本の「東」は欧米であり、中国なんです。明治以降の近代化の歴史を見ても、常に東に関心が向かっています。
韓国に学ぶとか、知ろうとか、理解しようとする方向に向かわなかった。韓国はロシアに対抗する戦場、喧嘩の場。それがたまたま朝鮮半島であり、
満州だったに過ぎない。

 木本:憧れの場所でなく、シビアな場所だった。逆に韓国にとっては、日本における欧米のような、ちょっと気になる場所なわけですね。

 美根:ちょっとどころか、ものすごく気になる国。でも、韓国の人たちには、日本は韓国が期待するようには動いてくれない、という意識がある。
植民地時代は特殊なケースですが、「被害者と加害者の関係は千年経っても変わらない」と就任直後の朴槿恵大統領は言っていました。
慰安婦問題も韓国の思うように日本が動いてくれないのは、韓国側からすると日韓関係に横たわる大きな問題点なんです。

 木本:自分たちはベストなことをしていると思いがちですが、韓国のほうを向いてきちんと直視してみると、やらなければいけないとことが山積みだと
理解できるかもしれませんね。

 美根:そうです。少なくとも韓国人に対する意識は変わってくる。文化交流は変わってきたように、政治的にも変わるでしょう。日本と韓国は
長い歴史がありますが、よかった時もある、お互いに学びあったこともある。

 ですが明治以降はまったくわからない国になった。しかも戦後に韓国のほうから出てくるのは植民地時代の搾取や、創氏改名でひどいめに
遭わされたということばかり。一方で同じ植民地だった台湾は日本に対して親日的。だから台湾からは日本人にも耳障りの良い言葉が
聞こえてきますが、韓国からは逆に嫌な話ばかりが入ってくる。その結果、韓国に対するイメージが悪くなってしまう。

 木本:でも、最近の日本人には韓流スター好きな人が多いですよね。中村玉緒さんなんてイ・ビョンホンの話しかしません(笑)。
日本の国民的女優のこの声は向こうに届いているんでしょうか。

 美根:笛木優子さんは、人気がありますね。

 木本:ああ、笛木さん。その意味では芸能同士でもっと交流が深まるといいですね。そこに可能性があるかもしれません。

 美根:私は可能性が凄くあると思います。突破していけるのではないですか。

(更に続く)

5 名前:ロンメル銭湯兵 ★@\(^o^)/:2016/03/31(木) 21:29:05.56 ID:CAP_USER.net

>>2の続き)

  ■ 歴代大統領は政権末期に変節してきた

 美根:朴大統領は、就任当初は頑なでした。第三国に行って“告げ口外交”をしていると批判されました。欧米諸国の首脳との
会談などで「従軍慰安婦問題」について、日本の態度について言及することも多かったのですが、昨年末から変わってきたのは
大きな意味があります。朴槿恵大統領の前の李明博(イミョンパク)大統領も、さらに前の盧武鉉(ノムヒョン)大統領も対日態度が
変化しましたが、逆の変化でした。彼らは就任当初は日本を大切にしていた。「これからは未来志向で行きましょう」とね。

 木本:なるほど。最初は友好的なことを言っていたんですね。

 美根:ところが、盧武鉉時代には2005年に戦後60年の節目で竹島問題が起こりました。その直後に3.1節という韓国の重要な
独立記念日がありました。この日に毎年大統領は演説を行います。盧武鉉はその演説で「日本に対して賠償を求める」と公言したのです。
後半に舵を切って反日的になりました。アメリカ訪問の際には「共同して日本にあたりましょう」と言って、アメリカ側から総スカンをくって、見放されました。

 木本:政権運営を失敗したんですよね。そして最後には自殺に追い込まれてしまいました。

 美根:李明博大統領も、野田首相に慰安婦問題の解決を時間かけて頼んだのですが、動かなかった。法的には日本のポジションは
はっきりしていて動かないんです。1965年の日韓基本条約の請求権協定で、「将来のことも解決したことにしましょう」と言う明確な合意があります。
李さんは政治的に決断すればできるはずと言っていましたが、できなかったので竹島に上陸した。彼も残念ながら後半に反日になってしまいました。

 木本:そういう経緯もあったのですね。

  ■ 朴槿恵大統領はなぜ親日になったのか

 美根:ですが、今の朴槿恵さんは逆で、最初は原理主義で「こうしなさい、ああしなさい」と言っていたが、後半は日本に協力的になってきた。
これは注目していいと思います。今年の3.1演説でも「日本との関係を協力してやっていこう」という雰囲気を示していました。去年までとは
まったく違っていました。

 木本:韓国の変化のきっかけにはTPPの影響があるとも聞きました。朴槿恵さんの感情の変化ではなく、経済界の圧力で変化がもたらされた
側面もあるのでしょうか。

 美根:その側面もあるでしょう。経済界は明らかに日本との関係を早く修復したいという意識でした。日本は2008年のリーマンショック後の
ウォンの危機の時には通貨スワップ協定の枠を増やして、韓国を助けました。ですが従軍慰安婦問題を巡って生じた緊張関係のため、
スワップ協定の期限延長をせず、昨年末に失効してしまった。そんなこともあり、韓国経済界は原理原則にこだわる朴大統領に、
かなり圧力をかけたと思われます。加えてアメリカとの関係も密接に繋がってきます。アメリカはTPPを進めたい意向が強いですが、韓国はまだ
加わっていない。オバマ大統領は韓国に対し「TPPに入りなさい」といつも要請しています。米韓はすでに自由貿易協定を結んでいるので、
なぜ入らないのかが、アメリカには理解できないのでしょう。

 木本:そうなんですね。韓国は「すぐに加盟しましょう」と言いそうですが、骨のある国ですね。

 美根:韓国は中国の顔色をうかがっていたのです。TPPには入らず、緩やかな関税同盟を作りたいのが中国流のやり方です。朴政権の
成立以来の特徴でしたが、中国と非常にいい関係を築いていた。朴さんは中国語ができますし、中国の古典が好き。個人的にも、
政治的にも、北朝鮮がやきもちを焼くくらい、習近平政権と朴槿恵政権の関係がよくなりました。そのうえ韓国の対中国貿易は輸出入とも
断然一位。経済的にも重要なパートナーで、中国の意向はできるだけ大切にしてきました。

 木本:これまで先送りしてきたのに、頑な態度が前向きになったのはなぜでしょう。

 美根:オバマ大統領の度重なる要請と、国内の経済界の要望がじわじわと効いてきたことが大きいのではないですか。

(更に続く)

6 名前:ロンメル銭湯兵 ★@\(^o^)/:2016/03/31(木) 21:29:31.92 ID:CAP_USER.net

>>5の続き)

  ■ 政治より経済のロジックが強いほうがいい

 木本:そこは日本との関係緩和にも繋がっていることですね。

 美根:その通り。結局、政治問題が常に先で、歪んでいました。それが無くなると、経済的なロジックが大きな意味を持ってきました。
しかし、中国と疎遠になるかというとそうではなく、最大の貿易相手国ですから、そこは変わらない。日本との関係でも、一位ではありませんが、
日韓貿易は大事で、資本財の輸入は韓国の成長や輸出にとっても必要です。日韓間でも中韓間でも経済関係は重要ですから、
政治関係よりも前面に出るのはいいことです。政治からの圧力で歪んでいたものが、重しが取れて正常化したという側面がありますね。

 木本:バランスが取れてきた。もっと早くいい関係になれれば良かったのに。

 美根:なかなかそうは上手く行かないわけです。

 木本:オバマさんの要請もあったし、タイミングも大事だったのですね。

 美根:それから北朝鮮の挑発行動で、韓国は中国に対する不信のようなものが芽生えた。やるべきことをやっていないと朴さんは
思ったのではないでしょうか。

 木本:いろんな条件が重なってようやく関係改善に進展していったのですね。しかし時間がかかりますね。

 美根:日本としては韓国のことをもっと知らないといけません。なぜ韓国の態度がこれだけ変わったのかは大きな問題なんです。
関係が改善するのはいいけれど、悪いほうに変わった時には、なぜかというのことをきちんと理解しなければいけません。

 木本:今回のケースは30度や90度じゃなくて、180度変わりましたからね。そこをきちんと理解できて、たいへん勉強になりました。
ありがとうございます。

(おしまい)


引用元:http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1459427262
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