日本の安倍政権は最近、1993年8月に河野洋平官房長官(当時)が旧日本軍の元慰安婦に謝罪した「河野談話」をなきものにしようとする動きを繰り返した。
韓国や中国はもとより、彼らが頼りにする米国までもが拒否反応を示したため、安倍晋三首相は先月、
一歩引き下がり「河野談話を修正しない」と述べた。だが、安倍首相は2012年に2度目の政権の座に就いて以降、
極右路線を歩み続けてきたため、その言葉を信じる者はほとんどいない。

 日本の韓半島(朝鮮半島)専門家の第一人者とされる、九州大学の小此木政夫・特任教授は、韓国の学者とのインタビューで「日本の植民地時代、
韓半島の一般女性たちが、戦場での性的な奉仕のために、強制的・計画的・組織的に動員されたことはない」と主張した。
だとすれば、どのようにして動員されたというのか。「工場で働けばお金を稼げる」と言ってだまし、数十人ずつ戦場に連れていったり、
半強制的に連れていったりする行為は「自発的・無計画的・非組織的」なことなのだろうか。

 安倍首相や小此木氏は、戦時下の日本がほかの国よりも多くの女性たちを性的に搾取したわけではない、という確信を持っているようだ。
専門家たちによると、このような認識は日本でかなり一般化しているという。「戦時下ではどこでも性的な被害者がいる」
「日本では民間の業者が(慰安婦の)募集を担当した」「日本政府は戦後、何度も謝罪をした」というわけだ。また、
日本人だけでなく朝鮮人の業者や女性たちも慰安婦の募集に関与しており、集まった女性たちの多くは少女ではなく、
世情をよく知る20代の女性だったというのだ。

 このような主張をする人たちには、1938年に日本の当局が「(慰安婦の)募集のやり方が誘拐に近い」と認めたことや、
2007年に米国政府の合同調査団が「性的な被害者の募集には組織的なプログラムがあった」との結論を下したことに対しては
特に関心を寄せていないようだ。また、日本の政治家による謝罪が心のこもったものではなく、
しかも別の政治家によってたびたび否定されてきたという点も無視しているようだ。

 当時の状況について全容を把握するのは、日本政府が事実を隠蔽(いんぺい)している上、関係者たちが業務の特性上、
記録を残していないこともあり、今となっては容易ではない。だが、韓国の女性たちに対し、本来行う業務の内容を知らせることなく、
甘い言葉やうそでおびき出したこと、募集を行った民間の業者のバックに日本の軍部がいたという事実は、日本の学者たちの多くも認めている。

 日本の政府や学界は、日本の性的被害者の問題について「非強制的」「無計画的」といった枝葉末節的な論点にこだわるのをやめ、
原点に立ち返るべきだ。日本が侵略戦争や植民地支配の過程で多くの女性の人権をじゅうりんし、その人生を残忍な形で破壊したことは、
否定しようのない事実だ。それに対し心から謝罪し、再発防止のための努力を続けていくという原則は、
いかなる政治的・学問的な議論によっても覆すことはできない。

 旧日本軍の性的被害者の問題を解決するため、韓日両国政府の当局者たちが今月16日、協議に臨んだ。
だが日本側は「両国の協定によって請求権はすでに消滅し、河野談話をもって謝罪は済んでいる」というこれまでの主張を繰り返した。
韓国は日本との関係の修復が急務だという論理に縛られ、適当に妥協してはならない。日本という国やその政府の責任を認めない、
中途半端な謝罪の言葉を聞いて「2014年の協議によって全て解決した」という免罪符を与えてはならない。

朝鮮日報日本語版 4月27日(日)6時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140427-00000069-chosun-kr


韓国 反日感情の正体 (角川oneテーマ21)
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